こんにちは。管理人のKENです。
写真を撮っていて実際に見た感じとなんか雰囲気が違うと思ったことはありませんか?
思い当たる方はもしかしたら、写真の色味が合っていないのかもしれません。
そこで今回は写真の雰囲気づくりに必要なホワイトバランスについて紹介していきます。
1.ホワイトバランスとは?
ここまで「絞り」、「シャッタースピード」、「ISO感度」について紹介してきましたが、これらは写真の露出を調整するものでした。
「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の3項目については前記事をご覧ください。
【カメラ知識】写真の柔らかさにつながる「絞り」の知識をあなたに! | PhotoLife (kenphotolife.com)
【カメラ知識】写真に動きを出す!「シャッタースピード」の使い方をあなたに! | PhotoLife (kenphotolife.com)
【カメラ知識】高画質な写真を撮ろう!ISO感度を理解しよう! | PhotoLife (kenphotolife.com)
露出とは写真の明るさのことを差します。
写真の雰囲気は露出に加えて色味も重要になってきます。
写真の色味を調整する機能がホワイトバランスです。
カメラメニューではWBと略されている場合もありますが、これはどんな機能なのでしょうか?
例えば下記のような晴れた日の日向と日陰の写真を撮ったとします。
※影の写真をWBをオートでとった写真を2枚
日陰に白い被写体を置いて撮影しましたが、白色が青がかった色にいますね。
これをホワイトバランスで使って撮影すると下記のように撮れます。
皆さんが思い浮かべる本来の白に近づいたのではないでしょうか。
このようにホワイトバランスは撮影環境を考慮して、白を本来の白に見せるための補正機能です。
ただし、色補正すると白色だけでなく写真全体の色味も変化します。
このことに注意した上で、この機能を利用して色による雰囲気づくりをすることができます。
2.数値が低いと涼しく、高いと暖かく
ホワイトバランスは色温度を変更することで調整でき、K(ケルビン)という単位で表すことができます。
学校の理科の授業で習う温度の単位ですが、色温度においては実際の熱温度とは関係ないのでご注意ください。
カメラで設定できるのはおよそ2500~10000Kの間で、この数値を変更することで写真の色を変えることができます。
実際に色温度を極端に変更して撮影した下記の写真を見て下さい。
左の写真はSony α7Ⅲで設定できる最小値で設定しましたが、全体的に青っぽく、逆に最高値で設定した右の写真は全体的に黄色っぽくなりました。
真ん中の写真は大体中間値で撮影しましたが、肉眼で見た時の色に近いのではないでしょうか?
こんな感じでホワイトバランスを下げると青く、上げると黄色になります。
そしては人は見た色から温度を連想することがあります。
例えば青は涼しい、冷たい、寒い、赤は暖かい、熱いなどいった感じで連想できると思います。
写真の表現においてはこのような色味で撮影した1枚がどんな陽気だったのか見た人に想像をしてもらうことができるのです。
このためホワイトバランスによる色調整は表現には欠かせない手法といえます。
3.ホワイトバランスを設定してみよう!
ではホワイトバランスを実際に設定して見ましょう。
今回はSONYα7Ⅲを使用して設定していきます。
ちなみに設定方法は各カメラメーカーによって違うので、お持ちのカメラの取り扱い説明書等を参考にしてください。
実は色温度は光源毎に数値がある程度決まっているので、カメラには撮影シーンに合わせたWB設定があらかじめ用意されており、代表的な設定値はAWB、太陽光、日陰、曇天、電球あたりで大体のカメラにはこれらが入っていると思います。
それぞれの設定に色温度が設定されており、大体下図のような数値になっています。
ちなみにAWBはオートモードなのでこの図にはありません。
晴れた日の屋外では5000~6000K、曇りの場合は6000~6500K、日が当たらない日陰では7000~7500Kになります。
また屋内の人口の光源にもある程度分かれており、白熱電球は2800~3200K、蛍光灯は4000~4200Kになります。
実際に屋内と屋外でWBの設定を切り替えて撮影してみました。
左側の写真は晴れた屋外、右側が屋内で蛍光灯が光源の中で撮影しています。
WBは「晴れ」に設定ですが、若干青く見えますが、肉眼で見る色に近いのではないかと思います。
晴れた屋外で撮影するときにこの設定で撮れば、左の写真のように自然な色味の写真になると思います。
次にWBを「日陰」に設定した写真です。
先ほどの「晴れ」設定より黄色がのった色味になっていますね。
この設定は晴れた屋外で高い建物で影がかかった場所で撮影すると自然な色味になりますが、黄色く写る色味を利用して夕焼けを撮るときにも使われます。
次に「曇り」に設定した写真です。
こちらも肉眼で見た感じの色味に近いですが、「晴れ」設定よりも黄色がのってますね。
名前の通り屋外で曇りの時に使われ、こちらも黄色の色味がのることから夕焼け撮影にも利用されてます。
最後に「電球」設定です。
見て通りに全体的に青色がのった色味になっています。
屋内撮影で白熱電球が光源の時に使用しますが、実際は蛍光灯の場合が多いのでカメラによっては「蛍光灯」という設定があるのでそちらを利用する頻度が高いと思います。
また青く写る特徴を活かして夜間の都市風景や星景写真を撮るときにも使われます。
このように色を変化できるようになっているのですが、色温度数値表と比べて少し疑問に感じた方もいるのではないでしょうか?
例えば白熱電球は数値にするとおよそ3000Kになり、数値表上は色は赤っぽくなりますが、実際にWBを「電球」に設定して撮ると先ほどの写真の通り、青くなります。
実はカメラで設定してるWBとは対象物の本来の色との反対色を付加しており、この2色を組み合わせて相殺することで本来の白色に調整しているのです。
なのでカメラのWBについては色温度数値が低ければ青く、高ければ黄色くなると覚えといていいと思います。
このWBの設定はあくまで各撮影シーンに合わせて、自然な色味で撮影できるようにすることが目的です。
逆にいえば設定したWBのがあなたの考えている写真の雰囲気に合わない場合は、好きなように変更してもいいと思います。
例えば屋外の晴天下で透き通った清々しい雰囲気の写真にしたければ「晴れ」設定ではなく、あえて「電球」や「蛍光灯」に設定して青みを出した写真にしたり、夕焼けの写真を燃えるような赤い色にしたければ「日陰」設定にして黄色や赤を付加して撮影することで写真に様々な雰囲気を与えることができます。
4.もっと高度な調整方法
WBの設定で色を変える設定を紹介しましたが、あくまで撮影シーンに合わせた設定しか用意されていません。
例えば「電球」設定と「蛍光灯」設定の間ぐらいの色味が欲しい、「日陰」設定よりももっと赤くしたいなどと思うことがあるかもしれません。
その時は「色温度」設定でマニュアルで色温度を設定して見ましょう!
色温度はこれまで説明した通り、K(ケルビン)を調整して、欲しい色味に調整します。
CanonやSonyは100K毎に調整できますが、Nikonはミレッド単位で数値調整されるので少し戸惑うかもしれません。
カメラ上WBは数値を下げれば青っぽく、上げれば黄色っぽい色がつくので、マニュアル操作を行うならこれだけは覚えておきましょう。
さらにマニュアル調整では色温度調整だけでなく、カラーパレットから色の微調整が可能で雰囲気を変えることができます。
例えば次の夕焼け写真を見て下さい。
前提として色温度は約7500Kにして撮影しています。
右側の写真は左側の写真よりも微調整としてマゼンタとレッドを少し加えています。
左側の写真より少しやわらかな雰囲気に仕上がったかなと思います。
色温度を微調整することであなたが思い描いた雰囲気の写真に仕上げることができるのでぜひ試してみてください。
5.マニュアル操作は慣れてからで
マニュアル操作いかがですが?
「実際にやってみるのは難しいそう・・・」と思った方、いるかと思います。
露出調整同様、慣れないうちはどうしても調整に時間がかかってしまうでしょう。
慣れない人はマニュアル操作はひとまず置いといて、撮影シーンに合わせて用意されているWB設定を使用するといいと思います。
撮影対象にもよりますが、素早く調整できないとスナップ撮影であればシャッターチャンスを逃し、ポートレートであればモデルを待たせることになります。
なのでマニュアルは少しずつ練習し、慣れてからで十分だと思います。
実際、管理人もマニュアルで調整していますが、撮った後に見直したとき調整に失敗したなと思うこともまだまだあります。
回数を重ねて、まずは正確に色温度を合わせることを目標に少しずつ調整できるようになりましょう!